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2021.04.15
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Mirai_105
Mirai_Fukushima Japan
福島第一原発の事故から今年で10年が経ちましたが、政府は毎日400トン発生する汚染水の浄化処理水の処分について海洋放出する方針で今月13日に閣議決定しました。
放出開始は早ければ23年からで、方法は処理水を海水で100倍程度に希釈し、濃度を国の排出基準値以下にして30年間かけて現在溜まった125万トンを海に放出する計画です。
政府や東電は安全性に問題はないと説明していますが、その安全性が本当に担保されているのかが問われています。
現在、溶融核燃料の冷却につかわれた汚染水は、ALPSという浄化処理装置で濾過して貯蔵タンクで保管しています。
ALPSでは以下62核種の除染が可能としていますが、トリチウム(3H水素の同位体、β線を出す放射性物質、半減期12年)は除去できません。
政府や東電は、トリチウムは自然界にも存在しており放射線は弱いので問題ないとしています。
しかし、専門家の知見によると長期間大量に海洋放出されると、海洋生物の蛋白質や糖、脂肪などの有機物と結合して有機結合型トリチウムになり、食物連鎖により生物濃縮されることが危惧されています。
トリチウムはその殆どが代謝や排泄等で、10日程度で半分に減りますが、有機結合型トリチウムは体内に長く残存して細胞核に取り込まれ、これらの局所的な内部被爆によりDNAの塩基が複数切断されて修復困難となります。
トリチウム以外にもALPSでは処理できない12個の核種[ヨウ素129(1570万年)、炭素14(5700年)等々、カッコ内は半減期]があり、その内の11核種は通常の原発排水にはないものが含まれています。
何故ならば、通常の原発の燃料棒は被膜に覆われているので冷却水が直接、燃料棒に触れることはないのですが、福島第一原発は事故により燃料棒がむき出し(デブリ)になり、これが直接冷却水に触れるからです。
今、特に問題視されている炭素14(C14)は、半減期が5700年と非常に長く、且つ細胞構成成分である蛋白質、核酸、DNAに直接取り込まれるので、分子の切断を伴うDNA損傷が生じて細胞が懐死したり、突然変異を誘発して長期にわたり環境に深刻な影響をもたらす可能性が指摘されています。
政府は、これらの不都合な真実に蓋をし地元の漁協や農協団体をはじめ多くの市町村議会から反対意見を無視して海洋放出の方針を決定しました。溶け出したデブリの回収には100年かかるともいわれています。海洋放出を100年続ける訳にはいきません。
日本周辺の国々からも次々に抗議声明が挙がっています。強行すれば日本の国際的信用は失墜するでしょう。
このような安易で不確かな方法ではなく、日本の知力と技術を結集すれば海洋放出をしないで解決できる道が必ず開けるはずです。
これは福島だけの問題ではなく、日本国民全体で真摯に向き合わなければなりません。
私たちは、この豊かな地球環境を次の世代の子供たちへ引き継ぐ義務を負っています。
今、政府と国民にはその責任を果たす覚悟があるのでしょうか…..rangert1
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