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2021.11.04
Simple sabotage field manual
第二次世界大戦中に、米中央情報局(CIA)の前身組織である米国戦略諜報局(Office of Stragitec Service)により、敵国内の諜報員が組織の生産性を落とすための要領をまとめた秘密資料が公開されています。
これは相手組織を内部から崩壊させる手順書として作成され、1944年1月17日付「Simple sabotage field manual」といわれる機密文書です。
その主旨は、以下のように纏められています。
1.注意深さを促す。
2.可能な限り案件は会議で検討する。
3.何事も指揮命令系統は厳守する。
4.組織的位置づけに拘り、権限の有無、上層部の承認等の疑問点を指摘する。
5.過去の会議で決まったことを蒸し返す。
6.文書は細部に拘る。
7.重要ではないものにも完璧を帰す。
8.重要な業務があっても無関係な会議を開く。
9.ペーパーワークを増やす。
10.業務の承認手続きを複雑にする。
11.すべての規則を厳格に適用する。等々…
具体的な手順は、其々管理職用・従業員用があり、潜入した諜報員が誰にも気づかれることなく無力化させる戦術が詳細に記されています。
彼らの目的は、物事をできる限り非効率化して円滑に進まないようにし、重要事項が優先されない状況を作りだすことです。
例えば、上司に従順であたかも組織の守護神かと思われるような人物が、実はその組織を弱体化・非効率化させて機能不全に陥らせるいるのかもしれません。
上司の指示が間違っていても、会社の利益を損ねることであっても、それを指摘せずに放置する人が増えるとその組織はいずれ崩壊を迎えるでしょう。
これは企業だけの問題ではなく、日本の政治、行政、司法、教育等のすべての分野で戦後も引き継がれているように見えます。
日本人は何時の間にか、この戦術に嵌っているのかもしれません。
先月、ノーベル物理学賞を受賞したシュクロウ・マナベ氏(米国籍)が「日本には帰りたくない。」と発言しました。
その理由を記者に問われ、「日本では人々はいつも他人を邪魔しないように気遣っています。とても調和的な関係を作っています。他方、アメリカでは自分の研究の為に好きなことができます。私は人生で一度も研究計画書を書いたことはありません。自分の使いたいコンピューターをすべて手に入れ、やりたいことを何度もできました。わたしは調和的に生きることができないからです。」と痛烈なメッセージを、これからの研究開発が危ぶまれている日本に向けて発信しました。
正に、日本が抱えている問題の本質がここにあるように思えます……rangert1
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